落ちるリンゴを待つな

新社会人おめでとう。
君は今どんな職場で出発の日を迎えただろうか。
それがどんな仕事であれ、そこは君の人生の出発点になる。
仕事とは何だろうか。君が生きている証が仕事だと私は思う。
大変なことがあった東北の地にも、今、リンゴの白い花が咲こうとしている。
皆、新しい出発に歩もうとしている。
君はリンゴの実がなる木を見たことがあるか。
リンゴ園の老人が言うには、
一番リンゴらしい時に木から取ってやるのが、大切なことだ。
落ちてからではリンゴではなくなるそうだ。
それは仕事にも置きかえられる。
落ちるリンゴを待っていてはダメだ。
木に登ってリンゴを取りに行こう。
そうして一番美味しいリンゴを皆に食べてもらおうじゃないか。
一、二度、木から落ちてもなんてことはない。
リンゴの花のあの白の美しさも果汁のあふれる美味しさも
厳しい冬があったからできたのだ。
風に向かえ。苦節に耐えろ。
常に何かに挑む姿勢が、今、この国で大切なことだ。
夕暮れ、ヒザ小僧をこすりつつ一杯やろうじゃないか。
新社会人の君達に乾杯。

               伊集院 静

(サントリー酒類株式会社広告より)

今年も恒例の新聞広告が掲載された。
仕事に対しての取り組む考え方が如実に現されているな、と感じた。
仕事は受け身では面白くもないし、遣り甲斐も感じられない。
自分から向かっていってこそ達成感が味わえるものだ。
古稀をすぎても、まだまだ働けることへの感謝とともに、
新しいことへのチャレンジをこれからも続けていこうと
気持ちを新たにしている。

孤独を学べ

大人って何だろう?歳を取れば誰だって大人になる?
そんなはずはないに決まっている。
こうすれば大人になれると書いてある本はどこにもない。
それでも世間には素晴らしい大人とそうでない人がいる。
なぜだろうか。たぶん生き方なんだろう。
大人になるために何からはじめるか。私はこう思う。
自分は何のために生まれてきたのか。自分はどんな人になりたいか。
それを考えることだ。
考えること、その答えを探すことには不可欠なものがひとつある。
それは一人で考え、一人で歩き、一人で悩むことだ。
孤独を学べ。孤独を知ることは、他人を知ることだ。
人間はお金のために生きているのではない。
人生は出世したり贅沢をするのが目的ではない。
生きる真理を見つけることだ。
社会の真実を見る人になることだ。
そうして何よりも明るい、溌剌とした人になろうじゃないか。
明るい人って、見ていて気持ちがいいじゃないか。
今日一日、人生を考えたら、君と初めて乾杯をしようじゃないか。
酒は喜びと悲しみの友だ。

新成人おめでとう。
君の未来に乾杯。

                     伊集院 静

  (サントリー酒類株式会社新聞広告より)

ハガネのように 花のように

新社会人おめでとう。

君が今立っている職場が、君の出発点だ。
さまざまなことが起きている春だ。
働くとは何か。生きるとは何か。
日本人皆が考え直す機会かもしれない。
世界中が、これからの日本に注目している。
彼らが見つめているのは日本人ひとりひとりの行動だ。
日本人の真価だ。国家は民なのだ。
ひとりひとりの力が日本なのだ。
力を合わせて進む。
しかし力を合わせるだけではダメだ。
一人の力を最大限に出し、強いものにしなくてはいけない。

新しい人よ。今は力不足でもいい。
しかし今日から自分を鍛えることをせよ。
それが新しい社会人の使命だ。
それが新しい力となり、二十一世紀の奇跡を作るだろう。
ハガネのような強い精神と、咲く花のようにやさしい心を持て。
苦しい時に流した汗は必ず生涯のタカラとなる。
ひとつひとつのハガネと、一本一本の花は、
美しくて強い日本を作るだろう。
美しくて強い日本人、職場を作ろう。
その時こそ笑って乾杯しよう。

                 伊集院 静

(サントリー酒類株式会社新聞広告より)

風の中に立ちなさい

大人って何だ?
自分と、自分以外の人にちゃんと目を向け、
いつでも他人に手を差しのべられる力と愛情を持つ人だ。
簡単に言ったが、そういう人間になるのは大変だぞ。
君が大人になるためにひとつ助言をしておこう。
ホモサピエンスは世界を一人で歩くこと、見ることで
すべてを学んできた。
これは千年先もかわらぬ大人への授業だ。
まずはケータイを置きなさい。
インターネットを閉じなさい。
テレビを消しなさい。
パスポートを取得して、一番安い乗り物ですぐ日本を発ちなさい。
目的地は?どこだっていい。
この国以外の、風の中に立ちなさい。
世界を自分の目で見ることからはじめなさい。
そこには君がインターネットやテレビで見たものと
まったく違う世界がある。
目で見たすべてをどんどん身体の中に入れなさい。
そこに生きる人々が何を食べ、何を見つめ、何を喜び、
何のために汗をかき、なぜ泣いているのかを見なさい。
ともに食べ、ともに笑い泣きなさい。
それだけで十分だ。
でもラクな日々ではないぞ。
苦しい中にこそ本物はあるんだ。
やがて帰る日が来た時、君は半分、大人になっている。
その時こそ、本当の大人への祝杯を上げよう。

二十歳の出発に乾杯。

                 伊集院 静

(サントリー酒類株式会社新聞広告より)

2011年幕開け

新しい年の始まりです。
この「つぶやき」も忙しさに感けて更新ができておりません。
今年こそは少しずつでも更新できれば、と思いながら新しい年を迎えております。

昨年は公私ともに忙しい日々が続きました。
趣味のカメラも部屋の片隅に鎮座したままです。

今年はどんな一年になるのでしょうか。
期待に胸をはずませている元旦の朝です。

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